京都の手芸家、キルト作家 Sayoko のブログにお越し頂きありがとうございます。
美山かやぶき美術館個展のご報告 その1
10月30日(月)の搬入は、友達が仕事を休んで手伝ってくれて、そのまま一緒にかやぶき美術館近くの「民宿美山」に泊まりました。
頼りになる友達が一緒にいてくれて、搬入と初日の緊張も和らぎました。
いよいよ初日!
素晴らしいお天気。
お世話になっている方々からお花を頂き、会場がとても華やかになりました。
美山の風景に私の作品が見事に溶け込み、お越しになった皆様が本当に驚き感動して下さっています。
風景と作品を一緒に楽しめる作品展になっています。
屋根裏部屋は、私が一番好きな場所です。
縁側には、がまぐちキルトがお出迎え♪
初日には地元ケーブルテレビの取材がありました。
美山の風景キルト、そして町家キルトについて興味深く話を聞いて下さいました。
夕方になると日が差し込み、会場は更に穏やかな雰囲気になっていきます。
新作「美山かやぶき物語~春夏秋冬~」の景色と、障子の向うの景色が重なり、なんとも素敵な光景です。
4日のイベントに備え、私は前日の3日から美山に行きました。
いよいよ4日。朝からあいにくの雨。。。
朝からは、写真集制作でお世話になったデザイナーさんとカメラマンさん達が、会場撮影にわざわざお越しくださいました。開催まもなく駆けつけて宣伝して下さるお気持ちが本当に嬉しかったです。
撮影中は雨も止み、日が差し込み、順調に写真を撮って頂けました。プロのカメラマンさんに写真を撮って頂けて、素晴らしい記録になりました。
そして、午後からは溝淵先生がご到着。演奏場所の設定をしてリハーサル♪
有難いことに、朗読レッスンを受けている馬場精子先生も早くから駆けつけて下さり、アドバイスをして頂きました。精子先生が当日の様子をブログに書いて下さっています。こちらです。
そして15:00、バスが到着!
バスチャーターの呼びかけに参加して下さった生徒さんや古くからの個展のお客様など約50名を乗せたバスが到着。
当初、知り合いが誰もいない遠い美山で個展を開催することや、またイベントを企画しても人が来るかな?という不安がありました。ですが、NPO法人京都古布保存会様がご協力して下さり、バスで皆を連れていくという計画が持ち上がったのでした。この大応援団ともいえるバスが、美術館に入ってきたときの嬉しさは、言葉では表現できないほどです。
普段は静かな会場が一杯になりました。
優しいクラシックギターの音色が、かやぶき屋根の下に広がります。
私が大好きな「アルハンブラ宮殿の思い出」、そして秋のイメージの素敵な曲を、作品を眺めながら聴いていると心が癒されていきました。
今回、溝淵先生は私をイメージした曲を、新たに作曲して下さいました。
先生とは高校生の時に知り合って35年。長年に渡り、いろんな状況に置かれていた私を理解し、見守ってくださっていた先生のお気持ちが伝わる温かな曲でした。
そして私の詩の朗読。
この詩は、亡くなられた溝淵先生のお母様の書かれた詩です。
「はぎれ」という2分ほどの詩は、まるで私の母の事を書いたような、また、私の気持ちを表すような内容で、この詩が私の元に届いたことも不思議な偶然なんです。
半年以上、馬場先生からご指導を受け、練習を重ねてきました。なかなか思うように読むことが出来ず、心配しましたが、溝淵先生の優しいギターの音色に包まれて心地よく読むことが出来ました。
馬場先生からも、終わってから、今までで何倍も素敵に読めましたねと、お言葉を頂き嬉しかったです。
無事コンサートは終了し、バスを送り出して、残ってくださっている先生方とお話しました。
溝淵先生と馬場先生、そして陶芸家の中野様と画家の畑様と一緒に記念撮影。
とても穏やかな澄んだ空気が流れた、素晴らしいコンサートだったとお言葉を頂き、思わず涙が溢れました。
集まって下さった皆様の応援の力が本当に有難く、またその想いを、かやぶき屋根が包みこんでくれているような温かいコンサートでした。会場のどこかできっと母も聴いてくれていたことでしょう。
コンサートの夜は、応援に来てくれた学生時代の友人2人と、かやぶきの里にある民宿またべに泊まりました。作品制作をする中で、何度もかやぶきの里に通いました。こちらのかやぶき民宿に一度泊まってみたいと思っていたのでした。
本物のかやぶきの里の中で眠る素敵な夜を過ごしました。久しぶりに学生時代に戻り、懐かしい昔話をしながら、それぞれの歩いてきた人生を語り、お腹の底から笑い合い、楽しい夜でした。
友達もかやぶきの里で宿泊したことをとても喜んでくれました。
友達が「はや、よう頑張ったなぁ。」と言ってくれて、これまでの疲れが取れました。
10年、20年、30年と私と関わって来てくれた人々の、励ましやねぎらいの言葉は本物で、そんな素敵な人たちに囲まれて、これからの人生をゆっくりと歩いていこうと思える幸せな一日でした。
ある人が言ってくれました。
「人生には ‘このために生きて来た’ と思う節目がいくつかあります。林さんにとって今日はその一つではないでしょうか?」と。
まさにそうだと思います。溝淵先生との35年前の出逢いから始まり、今までの私の良き出逢いの全てが集結したような、この度のかやぶき美術館個展です。今までの個展の中で1番素敵な個展で、一生の思い出になる個展だと思います。
コンサートにご参加くださった皆様、バスで駆けつけて下さった大応援団の皆様、本当にありがとうございました。お一人お一人にお礼を申し上げるべきところですが、この場をかりてお礼をさせて頂きます。
林サヨコ創作キルトの世界は、まだまだ開催中です。
是非美山へお越し頂き、美山とキルトの融合を体感してください。一日ごとに紅葉は増していきます。私も毎週その変化を楽しみながら、美山通いは続きます。