唯一無二の作品

2019-06-01

京都の手芸家、キルト作家 Sayoko のブログにお越し頂きありがとうございます。

 

美術館えきで開催されている、【吉村芳生 超絶技巧を超えて】(6月2日まで)を見に行ってきました。

 

新聞紙を精密に描いた作品や、365日の自画像、数メートルを超える風景画など、全て鉛筆一本で描かれた作品が展示されていました。

 

自分で撮ったモノクロ写真を拡大コピーして、数ミリのマス目で割り、その数ミリの四角の中を明暗の番号をふって、濃淡で表現するという表現方法に驚きました。

 

 

 

こちらは色鉛筆で描かれた作品です。
会場内で唯一、撮影OKの作品でした。

作者の絶筆になった作品です。
4分の1ほど残した途中で止まっています。
病いに倒れ、完成することの出来なかった作品に、作者の無念を思いました。

遅咲きの作家で、世に認められて間もなく、惜しまれながら63歳で亡くなられたそうです。

会場のどの作品も、その気の遠くなる技巧と、作品から伝わる情熱に、驚きと共に心が震えました。

私の縫いとは、表現も技巧も違いはあり、私などはまだまだ足元にも及びませんが、ただ黙々と描き続けるそのこだわり抜いた表現方法に共通するものを感じ、縫い続ける力を頂きました。

タペストリー制作中の私にとって、この展覧会を見た事はとても励みになりました。

 

吉村芳生さんの作品を拝見して、私も、私の一生で、限りある枚数しか縫えない作品を、一枚でも多く残して、沢山の人に見てもらいたいと思いました。