針と糸で物を作り始めた記憶がはっきり残っているのは、小学2年の5月。
地元藤森神社のお祭りの夜店で、手芸セットを見つけ母に買ってもらった。
それには、当時流行っていたリリアンを編むかぎ針道具と、うさぎの図案の刺繍セットが入ってた。
今でも買ってもらった時の光景とそのウサギの図案は、はっきり覚えてる。
それらを自分で作り方を見て作った。という事は、それ以前から縫い物はしていたという事だ。
針の持ち方は、母か祖母に教わったのだろうが、その記憶は無く、祖母も母も私に縫い方を教えた覚えは無くて、いつのまにか縫い物をしていたと言ってた。
当時は町内に小さな手芸屋さんがあって、いろんな色のリリアンの糸や刺繍糸を見てワクワクしながら好きな色糸を買ってもらって、来る日も来る日も、学校から帰って直ぐに、リリアンを編んだり、刺繍をして一人遊んでた。
あの小さな手芸屋さんが幼い私の一番のお気に入りの場所だった。
※画は 蕗谷虹児 「縫い取り」