3日目
「清水寺」2007〜2008 年 製作期間6か月
90c×222c
タペストリー作品としては、制作10作目の記念となった作品
私のパッチワークの特徴は、パーツ総てをパズルのように縫い合わせて徐々に大きくしていくところです。
制作工程を簡単に言うと
まず、デザイン画を描いて、【縫えるデザイン】だと確認します。
配色はデザインの時点で、手持ちの布をイメージしています。
次はデザイン画を元に、単純な縫い目が入らないように複雑な製図を書いていきます。
製図の段階で縫製順序を考えます。
【縫い合わせることが出来る製図】を書くことが大原則なのです。
製図が出来たら厚紙に型紙を写し、パズルのように一枚づつ切り離しながら、布に印を付け縫い始めます。
デザイン画や製図に着色することはなく、布は縫いながら決めていきます。
空の布は縮緬です。パッチワークを知らない人がみると、「なぜ空に縫い目をいれるの?」と問われます。「パッチワークだからです」としか答えようがありません。
この作品の空の布も幅37c程の着物地で、量も限られている端切れを、いかにうまく無駄なく縫い繋ぎ、違和感なく空に見せるかという事を考えて縫いました。
下部の木々は技法はアップリケなんですが、作品の表面には見えてこない独自技法によって、このように複雑な絵が完成されていきます。