布を見分ける不思議な感覚、布との深い縁

2020-03-15

京都のキルト作家、手芸家 サヨコ のブログにお越し頂きありがとうございます。

 

布達が、町家キルト工房にやってきました♪

届いた箱を開けて反物を見た瞬間に、何に使えるかを、ぱぱっと判断します。

私は、町家キルトを始めるまで、着物といえば、成人式の振袖しか着た事がありませんでした。

着物は、振袖しか持っていませんでした。

今でも、着物の知識は、ほぼありません。

 

しかし、どんな着物(古布)を見ても、材料(素材)として見ます。見た瞬間に、作品の何処に使うか、どんな表現が出来るのかを、判断出来るのです。

高級着物とか、安い普段着物などの違いを考える必要は全くありません。

作品の中で、高級な大島紬の横に、絣のもんぺの布を普通に使いますから(≧∀≦)

 

瓦屋根、板壁、窓ガラス、空、石、煉瓦、広葉樹、針葉樹….など、布を見た瞬間に、何に使えるか想像できます。

色彩のこだわりも大変重要ですが、同時に絹、麻、木綿などの素材を、使う場所によって変える事も大切です。

 

布の素材感と風景の質感を合わせる事は、誰でも出来るものだと思っていました。

例えば、石垣に使う石にぴったりの布とか、窓ガラスにぴったりの布を見た時、当然誰もがそのように想像出来るものだと思ってました。

板壁に使う布は綿、瓦屋根に使う布は絹、質感の違いを見たら当然分かるでしょう?と思ってました。

柄や織目方向にも、独特なこだわりがあります。それも、皆んながすぐに理解して分かるもんだと思ってました。

でも、長年、多くの生徒さんに指導したり、いろんな人々にその見分け方を伝えて来た中で、普通はすぐに見分けはつかないんだ、想像出来ないんだと気づきました。

私が、それぞれの使い道を話すると、皆さん大変感動されるのです。

 

私は1作の中に、絹、麻、木綿を使いこなす事、同じ絹素材でも、質感の違いで使用箇所が異なる事など、誰に教えてもらうでもなく自然と出来ました。

誰もが持っていない、布を見分ける不思議な感覚を持っているんだと思うようになりました。

だから、沢山の布達が自然と集まってくれるのかな?と思うようになりました。

 

いろんな布達が、集まってくれて、作品の中で蘇ります。

いろんな節目に、布が集まってくる事も不思議です。「さぁ!頑張って縫って!」と布達が言ってくれてるように。。

布に縁のある、有難い人生なんだと思います。