春夏秋冬4作品は冬でトリを飾る、そして新たなステージをめざす

2020-07-27

京都のキルト作家、手芸家 サヨコ のブログにお越しいただきありがとうございます。

 

背割堤の桜並木(四季)シリーズの最終作品、冬の制作を始めています。

作品を縫う前には、写真を見ながら、イメージに合う布を選び出します。
いつもお話していますが、新作を縫うときには、その作品のために新たに布を買うことはありません。

 

私の場合、いつも自分の持っている布を眺め、大切にしていると、次の作品の構想段階に入った時、その布が無意識のうちに頭の中に組み込まれ、その布を基にイメージが始まるのだと思います。

だから、布を材料箪笥から探したら、必ず必要な布が見つかるというのはそういう事なんだと思うのです。

布が手元に無いまま、イメージ先行した場合、縫う段階になってから買いに走っても、イメージ通りの古布を探し当てるのは奇跡に近いです。

絵具を混ぜて好きな色を作れる絵画ではなく、好きな色に染色するわけでもないのです。
この世に一枚しかない古布を使った「布ありき」の創作なので、そこが生徒さんや一般の方には難しいところです。

ただ幸運なことに、不思議なことに…..、私の元には自然と布が集まってくれます。
私の創作活動と、町家キルト教室の生徒さんのキット材料には不自由していません。

材料の布が不自由なく手元に集まるのは、縫いの神様と母が助けてくださっているからだと信じて、いつも感謝しています。

 

 

話をもどしますが、今回の背割の冬作品は、雪のイメージに合ういろんな白生地を使います。
単純に「白生地」といっても、合わせてみると、黄みがかっていたり、青みがかっていたり様々です。
特に雪景色の場合は、その微妙な色を見分けて、使い分けることが大切です。

背割の四季シリーズは、同じデザインで構成していますが、それぞれガラッとイメージが変わっています。

四季表現は、縫っていて本当に楽しいです。
春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、そして最後の冬は雪景色です。

 

仕上げには、刺繍で雪を散らそうかと思っていますが、春夏秋作品と違うところは、枝の数です。

春夏秋までの3作は、刺繍がメインとなるので、刺繍のスペースを残すために木の枝のアップリケの本数は少なくして、細い枝は刺繍にしていました。

 

でも冬は枯れ枝表現がメインなので、アップリケの枝を多くします。

現在は、幹と枝の配置をしています。

この写真 ↑ を初めてご覧になる方は、皆さん驚かれます。

木の表現がたくさん使われる冬作品は、きっと背割の四季シリーズのトリを飾る素敵な作品になると思います。

 

 

オリジナル技法である樹木表現は、今までも何度も縫ってきました。

背割シリーズ(上)と、丘に立つ古木シリーズ(下)は、今後も展開し続けて、いろんな作品を縫っていきたいです。
今は小さな額装作品ですが、この作品をタペストリーサイズで縫ってみたいです♪

 

 

既に5月に完成している、大作タペストリー「町家キルトの華~20年の歩み~(仮題)」も木の表現が主体となっています。

 

秋の個展では、「町家キルト」と、「樹木キルト」の技法の総まとめとなる作品が並びます。
楽しみにしていてくださいね!

 

秋の個展で20年を総まとめをして、21年目からはまた新たなステージを目指していこうと思います。