断捨離と創作活動

2015-05-17

最近、周りの友達で断捨離をしている人が数人います。
私は昔から、要らない物を捨てるのがストレス解消になるので、家の中は「住んでるの?」と言われるくらいにあっさりと物が少ないのです。
捨てるのがストレス解消なのに、私の作品の材料は、古い着物。人が捨てるような古い着物を集めて作品の材料としています。面白いですよね。
古い着物は全て解いて洗って、新しい材料として蘇らせてから、箪笥の決められた場所に片付けます。洗っても残る、古い着物独特の香りを無くすため、引き出しにはお香を入れておきます。

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どの布がどこにあるか、ほとんど把握しています。また、集めた布も暫くして使い道がない、と判断したらもったいない等と思わずに即処分します。
それがたとえ元は高価な着物であっても処分します。

私は色と素材感を重視して布を集めているので、材料に高い着物地、安い着物地という区別をしていません。
貴重な古布コレクションのように着物地を残していたら、保管場所がいくらあっても足らなくなります。
自分に必要な素敵な布が現れたときに、保管できる場所をいつも空けておくのです。
ここで自分に必要な材料はどれか、という断捨離が必要なのです。

この考え方は、日常生活や人間関係にも当てはまる大切な事だと思っています。

瓦用、板壁用、木々用等と引き出しを決めていて、更に色別に分類してビニール袋に入れています。
シワだらけの布を、かきまわして探すという事はあり得ません。
教室中に生徒さんが求めてるイメージに近い布をすぐに探すことが出来るので、いつも皆さんから驚かれます。

使い終わった布や道具は、すぐ元の場所に片付ける。
1日の作業が終わったら、机周りの糸くずを掃除する。
私のタペストリーは数百種類の布を使いますが、作品の制作中、布を探して布に埋もれることもなく、糸くずまみれにもならずに創れるのも、この几帳面な性格が幸いしています。

家も材料もじじくさい(汚い、薄汚れた)状態では美しいものは創れないというのが、私の創作の考え方です。
創作活動には断捨離が必要不可欠です。