今日は教室日。新人さんは、一作目の作品を制作中。町家キルトを見た人ほとんどが驚く格子の細紐作りを指導しました。
生徒の皆さん、この作り方を知ると、「目からウロコ!!」と驚かれます。
写真は、私の細紐サンプル。基礎コース2作目「小さな町家」で、この格子戸表現が出来るようになります。
3ミリ弱幅の紐を作るというと、例えば洋裁経験者はミシンで縫うループ返しを想像したり、またアメリカンパッチワーク経験者は縫い代のついた布をまず作品に縫い付けて、折ってまつりつけるやり方を想像されます。その想像では、これら3ミリ弱の紐は、当然難しい作業になります。
そうしなければならない、そのように習った、という固定観念があると、なかなか他のやり方に気づく事ができません。
私はなんの固定観念もなく、創作しています。町家キルトの技法を考案したのも、自由に、どうしたら頭の中にあるデザインを縫い上げる事ができるか、基本の縫いに応用をきかせていく、ただそれだけ。
創作活動に決まりはありません。
先生から習ったり、本を見て真似をするを繰り返しているだけでは、オリジナル作品とはいえないのですよ。
例えば基礎コース最終作品の酒蔵と菜の花。
この黄色い花の粒は、フランス刺繍のフレンチナッツではありません。私が適当に考えた、玉結びのようなやり方です。サヨコのつぶつぶ刺繍と呼んでいます(笑)
でも、この玉結びのようなやり方の方が、形がしっかりと決まるフレンチナッツより、コロッとして可愛らしく自然な感じになるのです。
【刺繍だから、ちゃんとしたフランス刺繍や日本刺繍のやり方でなければならない】
そんな固定観念が私になかったから、自由に創作活動が出来ているのだと思います。
私の個展でお客様が「こんなキルト、他で見たことがない!」と驚かれるのも、私が従来の固定観念に縛られることなく、誰の手本も真似することなく自由に縫ったからです。
こうしなければならない。このように習った。この針とこの糸を使わなければならない。
そのような固まった頭でなく、自由に縫い物を楽しんで下さい。私が教えたこと以外でも、自分で新しいこと考えたら、どんどん取り入れて縫ってみてください。
などという事を、生徒さんにいつもお話します。