私の作品の縫い方には特徴があり、縫い合わせとアップリケを複雑に絡ませて、縫い上げていく独特な手法です。縫い上げるという表現は、作品の下から上に向かって仕上げていくというものです。
制作中のタペストリーもようやく最上部の山と空の部分まで来ました!ここまで来たら本当に一安心です。バラバラだったパズルが、四角い絵に完成されたという感じです。
でもまだ、これからいろいろな細工があり、しつけとキルティングが待っています。キルティングが終わった後も、さらに刺繍と細かな仕上げのアップリケ作業がありますが、頭にイメージしていた風景が四角いタペストリー形に出来上がったという事は、私にとっては、ほぼ完成!という域に達しているのです(笑)
私の作品の特徴がでる、山の表現。
林サヨコの作品は色彩と縫いに個性があると言われているので、その作品が町家キルトであっても、インドのタージマハルのような作品であっても、私の作品を過去にご覧頂いた方が見ると、「あっ!これは林先生の作品だ!」と分かるとおっしゃいます。生徒さんの作品を他の場所で偶然ご覧になっても「これは町家キルトの生徒さんだな」と分かるらしいのです。
こだわりをもった縫製で仕上げた作品は、モチーフが変ってもその核となる個性を放つのですね。
どんなことがあってもぶれない、しっかりとした核を持った作品制作をしていきたいです。美山かやぶき美術館の作品展では、そんなことを感じてもらえる展示になるように頑張ります。