京都の手芸家、キルト作家 Sayoko のブログにお越し頂きありがとうございます。
かやぶき美術館個展 ご報告その3
私は以前から朗読をやっていて、「ごん狐」と「注文の多い料理店」は、朗読のレパートリーに入っていて、会場に、朗読用に制作した「ごん狐~兵十の家~」と「注文の多い料理店~山猫軒~」を展示していました。
それをご覧になった、美山小学校の先生が、課外授業で朗読とキルト鑑賞会を企画して下さいました。
4年生に 新美南吉作「ごん狐」
ちょうど学校の授業で「ごん狐」を習ったところだったそうです
6年生に 宮沢賢治作「注文の多い料理店」
21日5時間目の授業として、4年生16名がかやぶき美術館にやってきてくれました。
傘の行列可愛いですね♪
会場が寒いので、美術館のスタッフさんが子供たちの為に、ホットカーペットを用意して下いました。
一般のお客様もご参加くださり、大人と子供が一緒の温かな家庭的な雰囲気の朗読会になりました。
美山は、まるで「ごん狐」の里のような風景です。
その風景の中で、練習してきた「ごんきつね」を子供たちに朗読出来て、本当に幸せでした。
会期中にかやぶき美術館の周りで2回、本当の狐を見たのですよ。あれは、きっとごん狐ですね♪
子供たちは、朗読の世界に入り込むように熱心に聞いてくれて、「面白かった!!」と感想を言って下さいました。朗読が終わった後は、ワイワイとキルト作品を見てくれました。
「触ってもいい??」
「いいよ、触ってごらん。」
「フワフワしてるね。すごーい!!細かいね!」
子供たちはキラキラした目で、一階と屋根裏部屋を行ったり来たりして、作品を興味深く見てくれました。
私の手を握ってきた、ある女の子が、私の手がとても冷たい事に驚き「先生の手冷たいよ」と自分の手で温めてくれました。その自然な行動がとても嬉しかったです。
4年生が帰った後は、六時間めの授業で6年生34人に、宮沢賢治作「注文の多い料理店」
朗読の後、「お話が想像できたから、とっても面白かった!」と感想を言ってくれました。
朗読を聞くというのも、皆さん初めての経験だったらしく、とても楽しみにしてくださっていたようです。
キルト鑑賞の時間では、6年生にもなると、質問や感想も沢山飛び交い、作品の見方も布の質感や色彩についてなど、細かいところまで興味深く見てくださいました。
ある児童に、布の使い方を説明した時「センスあるね~」と言ってくれて、とても嬉しかったです。
子供達には、「私は皆さんくらいの頃から手芸という好きな事を続けて、縫いたいと思った物を縫える人になりたい・自分の作ったものを、いろんな人に見てもらえる手芸家になりたいという夢を持っていました。その夢が今、実現できて皆さんに会えるようになりました。」とお話しました。
夢を持つ、好きな事を見つけて続けるという事、夢を叶えるという事は、大変難しいことです。
子供たちに「夢を持ちなさい。好きな事を見つけなさい。」という事は簡単には言えません。
それが大変だという事は、私が一番わかっているからです。
でも、それを実現した大人がいるという事。今でも夢を持ち続けて頑張っている大人がいるという事。
大変な作業でも好きだから続けてこられたんだよ。という事を見せたいと思うのです。
この子たちの、思い出に残る、心に響いた1日となりますように♪