物語を思い描いて、楽しんで、そして大切に縫うという事

2019-01-28

京都の手芸家、キルト作家 Sayoko のブログにお越し頂きありがとうございます。

 

個展でお客様からよく言われるのは「サヨコ先生が楽しそうに縫われたのが伝わってくる。」という言葉。

私の作品は大変複雑な手の込んだもので、時間がかかります。
その手間を惜しまずに取り組んだ制作行程は、見る人の想像をはるかに超えるものなんですが、私はその工程を本当に楽しんで縫っています。

 

作品からそれが伝わるんだという事が、お客様の感想から分かります。

教室で生徒さんに指導する時も「焦ってはいけません。うまく縫おうとか、人と競う必要もありません。その作品の物語を思い描いて、楽しんで、そして大切に縫ってください。」と言っています。

そうして縫った作品はたとえ歪んでいようが、縫い目が粗かろうが、その人が楽しんで大切に縫ったことは伝わり、人の心をほっとさせる作品になります。
長期間にわたって縫った作品を後で見ると、その時期の自分の気持ちを思い出す作品にもなります。

 

でも生徒さんが、町家キルトの楽しさや、私がいつも言っていることの本質を本当に解るようになるには数年かかります。
作品制作数点では、なかなか分からないものです。

3月の生徒展では、そんな事を思いながらご覧頂きたいと思います。