2019年夏の頑張りと教室の事

2019-08-25

京都の手芸家、キルト作家 Sayoko のブログにお越し頂きありがとうございます。

 

庭にトンボが飛んできて、少し季節が進んだ気配のする今日この頃。
私の大好きな秋が確実に近づいてきています。

 

制作中の作品は、ようやく完成形にまとまりました!

完成形というのは、パズルの様な部分品がすべてまとまり四角くなり、イメージが完全な形に現れたという状態です。(写真の町家部分は作品全体のほんの一部分です)

 

 

しかし、アメリカンパッチワークでいう、「トップ完成」とはまた違っています。

ばらばらのパーツが完成予定サイズ2メートル近くの、大きな絵としてまとまった訳ですが、町家キルトの場合は、ここからまだ作業が続きます。

完全なる「トップ完成」までは、まだ1か月以上は作業が残っています。

 

そして

トップ完成→しつけ→キルティング→仕上げの刺繍とアップリケ→額縁布の仕上げ→パイピング

という具合に、作品完成までは、まだまだ先は長いのです。。。

 

私の作品は、ピースワークとアップリケをからませた技法が特徴で、今回の新作は特にアップリケが主となる作品になります。

ここからしばらくは、延々とまつり縫いが続きます。

でも、もう一安心です♪
技術面や色彩構成は終了し、ここからは頭を使わなくて良いからです。

 

私の作品には、制作にとても特徴があり、完成品を見ただけでは、縫製順序はなかなか分かりません。

 

個展会場で私の作品を初めてご覧になった方は

「??どうして縫ってるの?

??なぜこうなるの??」

とよく質問を頂きます。

 

特に縫い物を長年されている人ほど、その制作工程の不思議さを感じられるようです。

 

教室の生徒さんは、作業工程をだいたい分かって下さるので、生徒の皆さんは、私のタペストリー作品にどれだけ時間と根気と技術が必要かを理解して驚いて下さいます。

 

私が教室を持って良かったと言える一つは、私の作業の複雑さを生徒さんが理解し、生徒さんの口から周りの方に伝えて下さることです。

 

最近、生徒さんが増えたので、一回の教室で4~5個のカリキュラム指導をします。

私一人では大変な日があり、その日の内容によったら、全ての生徒さんへの目が行き届かない日があります。

そんな日は、教室に通ってそれぞれ10年と7年が経つ研究会(自由クラス)の生徒さんお二人に、交代でアシスタントをお願いしています。

工房の二部屋に生徒さんが入ると賑やかで熱気に溢れ、二部屋を行ったり来たりしていると、あっという間に2時間が過ぎます。

 

アシスタントの方には、私が他の生徒さんへ指導している間、初級中級の生徒さんに目が行き届くように、適切なアドバイスをして頂き助かっています。

アシスタントに入って頂いて、技術面というより、作業に取り組む気持ちの面のアドバイスを特にお願いしています。

私が言うより、町家キルトの経験を積んだ生徒さんからの方が、在籍生徒さんへ伝わることがあると思っています。

 

先輩の経験を聞き、後輩にアドバイスまで出来るようになった先輩の技術上達を目の当たりにして、在籍生徒さんも目標となる事でしょう。

長年、私の傍にいてくださり、協力して下さる生徒さん達には本当に感謝しています。

 

今年の夏は、制作に掛かり切りました。
SNSの広報活用はこのHPのブログのみにして、フェースブックやインスタグラムは休んで、日々の私を見せない引きこもり状態です(笑)

個展やTV出演など華やかな活動の時期と、工房にこもる地味な制作の時期は全く真逆です。

セルフプロデュースとしての広報活動の時期と、作家としての制作の時期の使い分け…この繰り返しで月日が流れていきます。

作品を一つ一つ創り上げていきながら、技術を向上させ、感性を磨き続け、素敵に歳を重ねていけたらと思っています。

 

その頑張りを教室の生徒さん達に還元していきたいと思います(≧▽≦)