高校に入り、進路は迷わず服飾専門学校と決めていた。
担任の先生は大学進学を強く勧めてくれたが、大学には全く興味がなかった。
縫物が好きなら服飾専門学校へ行けばよいと、単純にそう思っていた。
高校3年生からは、近くの編み物教室に通い始めた。
編み物も小学校の頃からしていたので、服飾専門学校で洋裁を習うのと同時に、編み物も習得したいと考えていた。
編み物教室には約5〜6年通い、機械編みと手編みの講師の資格を取った。
特に手編みが得意で、ゲージ通りに寸法ぴったりに編み、数日でセーター1枚を編む事が出来た。
今は全く編み物をする時間の余裕が無くなったが、全ての指を動かす手編みの技法は、町家キルトの細い格子を縫うときの指の使い方や、異なる素材を縫い合わせる時の手の感覚、素早く指を動かして作業する動作など、今のキルト制作に大変役立っている。