絵を描くように縫う作品、町家キルトと樹木キルト。二つの作風の違い

2020-06-24

京都のキルト作家、手芸家 サヨコ のブログにお越しいただきありがとうございます。

 

6月より制作を始めている、背割堤桜並木の秋バージョン。

 

 

写真を参考にしながら色を合わせたり、幹や枝ぶりのイメージを膨らませていきます。

 

 

今はトップ完成まで出来上がり、次はしつけとキルティングを始めていきます。

 

動画で工程の記録をしていまして、Instagram に少しアップしましたのでご覧ください。

動画 や制作工程は、Instagram にアップしていきますので、ぜひインスタグラムのアカウント(sayoko.quilt)をフォローしていただけたら嬉しいです。

 

作品が全て完成したら動画の全工程をまとめて編集して、個展会場などで作品とともにご覧いただけるようにする予定です。

 

額装作品は、作品全体が画面に収まり、手元のアップが撮影しやすいので動画向きです。
私の作品は制作工程がどんどんと変化していくので、動画で見せると作業内容が言葉で説明するより分かりやすくて面白いと思います。

また写真ではなく動画だと、手の動きも分かるし、糸を引く時の衣擦れの音なども入るので、見る人がより興味を持って下さるのではないかと思います。

 

以前は自分の制作しているところを人に見せるのが苦手で、生徒さんから

「先生は、決して縫うところを見せない、鶴の恩返しのようですね!」と言われていましたのに、時とともに人は変化していくものですね(笑)

 

 

私はオリジナル技法として、建物にこだわった「町家キルト」の制作をしてきましたが、いろんな作品を創作するうちに「木の表現」を取り入れるようになりました。

 

樹木を表現した「樹木キルト作品」は、「町家キルト作品」と並ぶ、私の二大技法となりました。

 

8年ほど前から、樹木だけをモチーフとした作品も手がけるようになりました。
今後は樹木シリーズを増やしていきたいなと思っています。

 

 

「町家キルト」は緻密な製図とパズルのような型紙を使って、正確に縫い合わすという作風で、計算された縫製順序によって最終的に「絵のような表現」になります。

 

それに比べて、樹木キルトは製図というものがありません。
構想イメージのデザイン画だけを参考にして、その時の気分で

絵具を“布”

筆を“手”

に変えて絵を描いていくという感じで、自由に形を作っていくので、寸法の正確さなど必要ありません。

このように「町家キルト」と「樹木キルト」は、まったく作風が変わります。
この二つの技法を今後更に極められるように、いろんな作品に挑戦していきたいです。

 

※町家キルト教室で指導しているのは額装サイズの「町家キルト」のみで「樹木キルト」の制作指導はしておりません。