背割堤の秋と、葉っぱのフレディへの思い

2020-07-20

京都のキルト作家、手芸家 サヨコ のブログにお越しいただきありがとうございます。

 

 

背割堤の桜並木の秋バージョン、完成しました。
制作期間は約6週間でした。

 

今回は制作工程を動画で記録し、instagram で投稿してご覧いただいておりました。

作品の上に参考写真を乗せると、不思議とはまり込んで同化しています。
サイズも質感も違うのに、違和感がありません。

作品を縫うときは、その景色の中に入り込んで縫うという感覚なのですが、それが作品に現れるのかな?と思います。

 

教室の生徒さん達が、町家作品を縫うときにも

「実物の建物を見に行ってください」「写真を撮って来てください」「制作中は写真や資料を、机の上に必ず置いて作業をしてください」

といつも言い続けています。
でも、初級生徒さん達はその意味を理解するには難しすぎるのか、実行する人は少ないです。
年数を重ねる生徒さん達は、徐々に理解してくださいます。

イメージせずに縫うのと、イメージの中で縫うのとでは、まったく完成度が変わるのです。

 

完成作品は、11月の個展で発表しますので、まだ全体画面をお見せできなくてすみません。
今回の秋バージョンは、色数が多いので、「桜道」「緑道」よりずっと刺繍の数が多くなりました。

 

 

秋バージョンを縫いながら、ある絵本の物語を思い出していました。

 

葉っぱのフレディ~いのちの旅~」レオ・バスカーリア作

 

この絵本は、病床の母がテレビでこの本を知り、私に「買ってきて…」と頼み、私が本屋さんに買いに行きました。
母は、何度もこの絵本を読んで、私にも読むように言いました。

 

「命は永遠に続いていく。悲しまなくてよい。」という事を、母は私に伝えたかったのだろうと思います。

 

葉っぱのフレディの絵本は、母の棺に入れてしまいました。
母が好きだったからと思って入れたのですが、今思うと母の思い出の詰まった本は、遺しておいたら良かったと悔やんでいます。

 

でも、母が私に伝えたいことは、私の身体にしっかり入っていて、作品となりました。

 

次は冬バージョンに取り掛かります。
心して縫います。

 

四季4作は亡くなった母に捧げたいと思います。