町家キルトの習い方・上達はコツコツを積み重ねるしかない

2020-12-05

京都の手芸家 サヨコのブログにお越しいただきありがとうございます。

 

 

私は自他ともに認める努力家です(^.^)

いつも数年先に目標を据えて、それに向かっていろんな勉強をしたり、資格を取ったり、ダイエットしたり(笑)してきました。

作品もコツコツ・・・コツコツ・・・と縫い続けて完成していきます。
私の作品を一度でもご覧になった方は、どれほどの時間と努力の積み重ねで完成した作品かをご理解くださると思います。

それを前書きとして、今日は【町家キルトの習い方】についてお話したいと思います。

 

町家キルト教室は、入会時から毎回の教室で新しいことを学んでいただきます。
特に基礎から中級コース(1~3年間)の7作品までは、たくさんの基礎縫いと町家キルトセオリーの指導があります。

 

指導と言っても、大層なものではありません。
ちょっとした縫い方のコツや、古布の扱い方や布の選び方などをとても細かくお伝えします。

 

「今日のポイント」というのが毎回あり、新しいことを順番に習って頂きます。
キルト経験者の方は「毎回新しいことが学べて楽しい。目からうろこの事ばかり。」と言ってくださいます♪

 

入会時は

「こんな作品縫えるのかな?私には無理!」と思っていた作品が、いつの間にか完成しているという感じに指導していきます。

 

町家キルト教室は、高年齢(60代以降)層が多いので、資格や免許を出す教室ではなく趣味の教室です。
ですから、自分の空いた時間を使って、好きなように楽しく手芸をして過ごし作品を増やしていくというものです。

趣味の教室なんですが、学校のように確実にスキルアップしていただけるようなカリキュラム構成になっているので、いくつになっても新しいことを学び進化出来ると、皆さんお喜びくださいます。

 

「年齢が高くなると、すぐ忘れてしまう」という声が多いので、私は何回でも同じ質問に答えるし、各々の生徒さんの進み方に合わせて指導します。
宿題で分からないことがあれば、いつでもメールや電話で質問に答えていますし、どんな初心者でも、必ず完成へと導いていきます。

 

そういうやり方で長年教室をして多くの生徒さんを指導していると、生徒さんの習い方に2種類あるという事が分かってきました。

 

1・・「毎回のポイントをしっかり覚えて気づきを得ながら次作へ進んでくださいね」という私の指導を素直に忠実に聞いて、ゆっくりあせらず基礎縫いや町家キルトセオリーを習得していかれる方(このタイプはキルト初心者が多いです)

 

2・・基礎縫いやセオリーを習得することに重点を置かず、作品が早く完成出来たらそれでよいという考え方で作品を作っていかれる方

 

 

1のタイプの方も、2のタイプの方も楽しんで作っておられることには変わりはなく、私も同じように指導していきます。
作品も基礎から中級コースあたりまで(作品見本がある間まで)は、1のタイプも2のタイプも、見た目は同じように完成されます。

 

しかし、創作コース(作品見本が無くなり自分でデザイン製図する段階)に入ると如実に違いが出始めます。

1の方は、縫い間違いはほとんどなくなり、【自分で考えて縫う】という事が自然に出来始めます。

しかし、2の方は縫い間違いが多く、【自分で考えられない】と、戸惑いを持たれます。
そういう方には私がその方のレベルや、その方のやり方に合わせて細かく指導して作品を完成していただくので問題はないのですが、1の方がスイスイと自分で制作するのを見て、そこで初めて2の方は習得してきた内容の差に気づかれます。

【教えてもらったら手は動くし、縫い方は分かるけれど自分で考えて縫えない】といういら立ちを感じ始められるのです。

 

作品が完成出来たらよいというやり方で月日を過ごしてきた2のタイプの方が、創作コースになってから「高度なオリジナル作品を作りたい」と思っても、数年間の取り組みの差は歴然と現れてしまいます。

 

同じ期間、同じように作品を縫っている中でどこが違うかというと

・前作の基礎縫いを習得して次作へ進む。
・前作が次作のお手本と思ってよく観察する。
・前作の間違いは次作に持ち越さない。
・いつも製図と資料を机の上に置いて自分で考え確かめること。
・自分のノートを作り理解すること。
・布の整理をして布に慣れること

という私が指導の中で言い続けている事を素直に受け止め、コツコツと努力しながら自分で考えて、覚える努力をして作ってきたかどうかなんです。

 

コツコツ自分で考えて技術や知識を積み上げて自分のものとして習得しないと

 

『真似は出来ても、創作は出来ない』 という事になるのです

 

町家キルトの習い方は

『見本作品制作だけで修了するのか、創作を目指すのか』どちらでもご希望で良いのですが、

同じお月謝を払い、同じ数の作品を作ってきたのに、見本作品修了時にその違いが出るのは本当にもったいないと思います。

せっかく習うのだから、作品完成を目的とせず、作品の制作過程を楽しんだり、コツコツ覚えて技術を習得し、目に見える努力の結果を目標にしたほうが良いと思うのです。

 

これはどんな習い事でも同じだと思います。
心掛け一つで数年後の結果に大きな差が出ます。

 

習い事に年齢は関係ないです。
年齢を重ねてからの習い事こそ、焦ることなく時間を大切に日々のコツコツとした努力が大切なのではないかなぁ…と思います。

 

町家キルト教室に新規入会される生徒さんや在籍生徒さん、またこれから何かを習い始めようとされている方の、習い方のきづきになれば幸いです。