京都の手芸家 サヨコ のブログにお越しいただきありがとうございます。
個展が終わってゆっくり充電していましたが、そろそろ縫物を始めたくなりましたので、次作の準備を始めています。
桜並木のタペストリーは、2012年に制作していましたが、今回は額バージョンを縫います。
横幅85㎝、リト大判サイズの大きな額になります。
デザインが出来たら、布選びです。
桜の花、木の幹、空、土手など、イメージに合う布を材料箪笥から選んでいきます。
桜のピンク、空の青色、木の幹の茶色、土手の緑と一言で言っても、集めている布にはそれぞれ微妙な色調の違いがあります。
色相、明度、彩度という色の三属性を考えて揃えないと、風景作品は全くおかしなものになってしまいます。
絵具を混ぜて色を自由に作って描くのではなく、【布ありき】で縫うところの難しさがここにあります。
桜に使用するピンクの布も、微妙な色調を合わす必要があります。
古布独特の少し灰色がかった色は、単独では綺麗に見えたとしても、となりに来る色によって、さらに濁って汚く見えてしまうので要注意です。
淡くてきれいな桜を表現する場合、持っている布でグラデーションを作るのはなかなか難しいです。
濁りの無い清色のピンクが欲しかったので、西陣の呉服屋さんに、ピンクのはぎれを分けて頂くようにお願いしました。
週末にお店に伺う予定で楽しみです♪
「布がたらないかも?」と思うときには、ちゃんと補充させていただくお店や人と出逢えます。
縫う布に困らないようになっていることは本当に不思議で有難いです。
この桜並木全景の額装が縫いあがったら、個展で人気だった、「背割桜の四季4連作」と共に展示が出来ます。
額装作品の方が、より緻密に繊細に縫えるので楽しみです。
額装作品は、タペストリー作品とはまた違う魅力があり、両方見比べて頂けるところが、林サヨコ作品の特徴の一つだと思います。
作品の制作工程は、インスタグラムに投稿していきますので、またインスタグラムの方ものぞいてみてくださいね。