林サヨコの世界展を終えて・その3「素敵な出逢い」

2021-01-26

京都の手芸家  サヨコ のブログにお越しいただきありがとうございます。

 

 

伏見桃山にあるラ・ネージュは、ヒト・モノ・コトの交流の場、同時代の茶室。
オーナーの四方有紀さんは今から27年前にこの場を作られ、活動を続けてこられました。

ラ・ネージュでは、作品展示やコンサートを開催し、その作者や奏者の世界観を体感しながら、その場に集まってこられたそれぞれの人の立場や地位などまったく関係なく、ゆっくりお茶を飲みながら交流するという、現代の茶室です。

 

今まで私は、来場者の多い個展をしてきましたので、お越しになった方々とゆっくり交流することが出来ませんでした。
今回、ラ・ネージュさんで展覧会をさせて頂き、本当にゆっくり皆様とお話することが出来ました。

 

教室開講初期の頃の生徒さんもお越しくださり、懐かしい昔の教室の話をしました。

 


いつも個展にお越しくださるお客様とは、1点1点作品を説明し、その場でしかできないような話をゆっくり出来ました。

 

また今回、老舗料亭魚三楼 の皆様とお会いすることが出来ました。
魚三楼の女将さんが、四方有紀さんの小学校からの同級生という事で、繋いで頂いたのです♪

 

21日の夜に、1月31日にラ・ネージュでコンサートを開催される方々がリハーサルをされました。
その時、有紀さんが魚三楼のお弁当を用意してくださり、魚三楼の息子さんご夫婦が届けてくださいました。


作品が並ぶ会場で、キルト作品「魚三楼」の前で、魚三楼の美味しいお弁当を頂きました。
その場に居たみんなは魚三楼の綺麗なお弁当に感激して、女子学生のように大はしゃぎで写真を撮ったり、楽しい時間を過ごしました。

心のこもった美味しいお料理を頂き、本当に素敵な思い出に残る夜でした。

 

また翌日は、魚三楼の御主人と女将さんもお越しくださいました。

 

その日息子さんはZOOMで魚三楼の店先を映してくださり、画面上にキルトの魚三楼と本物の魚三楼が並び、会場に居るみんなで大感激して大騒ぎとなりました!

魚三楼の息子さんには、お忙しい中、また雨の降る中「作品とモチーフとなった現場をZOOMで繋いでみたい!」という試みにご協力して頂き、本当に感謝です。

 

 

「魚三楼」を制作したのは2006年。
伏見の作家として、伏見の老舗を町家キルトで表現したいと思って縫いました。
私の技術でこれ以上細かく縫えないという、20年間で縫った全作品の中で一番細密な町家キルト作品です。

15年経って、初めて魚三楼の皆様とお会いできました。
魚三楼さんにはなんのご挨拶もせず、勝手に作っていたことが気がかりでした。
そのことのお詫びとお礼を申し上げると、

「いえいえ、こんなに素敵に作って頂きうれしいです。ありがとうございます!」と女将さんやご家族皆様がおっしゃってくださり嬉しかったです。

 

魚三楼の皆様に温かく接して頂き、作品を喜んでご覧頂き、展覧会後半のとても素敵な出来事でした。

 

つづく…..