創作風景キルトと林サヨコの世界観

2021-06-03

京都の手芸家 サヨコ のブログにお越しいただきありがとうございます。

 

 

背割堤の桜並木全景の額装バージョンの制作準備に取り掛かっているときに、宇治川風景を縫う事になり、桜作品の制作を中断していました。
宇治川作品も完成し、額装に出しましたので、ようやく落ち着いて桜作品を再開しています。

この作品は期限が無いので、ゆっくりと縫うことが出来ます。

 

桜並木額装バージョンは、タペストリーより凝ったものになります。


こちらタペストリー
2012年制作「桜並木~命~」
この作品を制作していた時は、とても大変な時期だったので、技法もあっさりしているのです。
新作の桜作品は、全体の構図はこんな感じですが、技法は更に複雑になります。

 

毎回新作を縫うときは、「前作を上回る作品」を心掛けていて、毎回技術の上書きをしています。
背割りの四季4連作を縫い上げたので、当然新作は、これら4連作以上に複雑化しますよね(≧▽≦)

 

創作風景キルトの制作は、町家キルトとは違う面白さがあります。
特にこの樹木キルトは町家キルトのような緻密な製図が無く、感覚のみで縫っていくので、技法が全く違います。

背割りの四季「紅葉道」のメーキング動画は こちら をご覧になってください。

建物を表現した「町家キルト」と、木を表現した「樹木キルト」は全く作風が異なるのですが、私の町家キルト作品を過去に見たことがある人が、この樹木キルトを見たとしたら「これは、林サヨコの作品かも?」と思ってくださると思います。

以前個展のお客様が「タージマハルの写真を新聞で見たとき、きっとこれを縫った人は、あの町家を縫ってる作家さんだと思いました!」という事をおしゃってくださいました。

どんなタイプの作品を縫おうとも、作家の世界観を出せること。
それが私の目指す手芸家です。

 

 

今年前半は忙しかったので、後半は桜並木をゆっくり縫おうと思います。。。

 

思います。。。

 

と書いているときに、また新しい仕事の依頼が入ってきたので、ゆっくりとはいかないような気がしてきました(笑)