サヨコ刺繍のテクニック

2021-07-18

京都の手芸家 サヨコ のブログにお越しいただきありがとうございます。

 

 

近畿地方の梅雨も明け、いよいよ夏本番ですね!
制作中の作品は、現在、桜並木の小枝の刺繍をしています。
私の気分は春です♪

キルティングが完成した作品に、下書きなしに一気に刺していきます。

枝ぶりは、絹糸の太さを変えながら自由に刺していますが、枝の位置関係を把握しながら刺し順を考えて刺していきます。
この「刺し順を考えて刺繍する」というのは【サヨコ刺繍】独特な考え方です。

 

 

 

私の作品を、個展などで長くご覧くださっている方はご存じだと思いますが、私の作品の特徴の一つに刺繍があります。

菜の花の咲く酒蔵の土手を刺繍で表現した作品「伏見縫酒蔵風景」が、私の作品の中で最大の刺繍(数千~万粒のステッチ)の量でした。
皆さんその繊細な刺繍に驚かれ、「どうしてこんなに風が吹いているように刺せるのですか?」とおっしゃいます。

 

 

 

 

風景キルトの中で表す刺繍は、「柳」「菜の花」「すすき」「彼岸花」「木の枝」「野に生える雑草」「雪つぶ」など。

 

 

そして町家キルトの商家の暖簾や看板の「筆書きの字」など。

 

これらのステッチは難しいものではなく、アウトラインステッチ、フレンチナッツ、レゼーデージ、サテンステッチという、基本中の基本の4つのステッチだけで出来るのです。

 

教室の生徒さんにも刺繍の指導があります。
基礎コース作品「蔵と柳」「酒蔵と菜の花」で刺繍に取り組んでいただきます。

町家キルト工房で指導する風景キルトに必要な刺繍は、複雑な刺繍ステッチを数多く覚える必要はありません。
基本4つの刺し方を覚えて、刺し順さえ理解出来たら、風景キルトをより自由に、より奥深い作品へとランクアップできるのです。

 

 

2012年制作の初代の桜並木は、枝の刺繍はありませんでした。

今、制作中の桜並木に比べたら、とてもあっさりしています。
いろんな作品を縫ってきて、どんどんバージョンアップしてきました(≧▽≦)

 

小枝の次は桜の花、その次は土手の草など、まだまだ刺繍に時間をかけますが、どんな桜の風景が浮かび上がってくるか私自身も楽しみです。